理事長あいさつ

 

 自分の子どもが病気だと分かった時、ほとんどの親は戸惑い、驚いてしまいます。私もその1人でした。我が家の三女も9か月頃心室中隔欠損症と診断され、手術を受けました。病院では子どもの病気の治療などは行いますが、保護者への心のケアや、障害者団体の紹介などは行き届いていない現状があり、辛い思いを抱え込んでしまいます。しかしパンダ園に出会い、毎週2回(火・金)に保護者と子どもたちで集い、 同じ悩みを持つ家族や、経験豊かな保育士の先生方に助けられ、次の一歩へと力をいただきました。

 そして小学校に入学しましたが、知的に遅れのある三女は他の子ども達についていけず学校に行くのを嫌がるようになりました。パンダ園では病児を中心に、健常児も共に成長する、今で言う「インクルーシブ教育」がすでに実践されていました。どうして地域でその子にあった普通教育ができないのか、なんとかしなくてはと、育成学級を作るべく、多くの方々のご支援を得て、何千もの嘆願書を教育委員会に持参し、2年生の時に育成学級を作っていただくことが出来ました。

 振り返りますと当会も1965(S40)年、田里健二医師を中心とする有志により、子を助けたいと思う切実な親の気持ちから「心臓病の子どもを守る京都父母の会」が発足したのです。そして困難な当時の状況(高額な手術費用、手術時の新鮮血の確保、入園拒否、就学困難など)に向き合い、子ども達の幸せを願って歩んできました。

 私達家族は三女のおかげで色々な方々に出会い、人の優しさ、強さが分かりました。地域の方々、パンダ園で出会った方々…たくさんの人にお世話になり、今の私達の家族があると思っています。そして私と同じように、そうした思いを受け継いだたくさんの人たちが、当会でボランティアとして活動しています。

 2018年、任意のボランティア団体から特定非営利活動法人として認められました。僭越ながら理事長として、今まで続いてきたこの陽だまりのような場所を、次世代に残すために精一杯尽力する所存です。

                     NPO法人 心臓病の子どもを守る京都父母の会
                                   理事長  杉本寿一